B寄生虫がいなくなると、アレルギーが出現する?
『きれい』と『汚い』のどっちがいいですか?
寄生虫がいなくなると、アレルギーが出現する。
ガボンの児童520人について住血吸虫と糸状虫感染の有無を調べ、チリダニに対するアレルギー反応の強さを検査し、血液中のIgEを測定した。
寄生虫によってアレルギーが本当に悪化するなら、寄生虫に感染している子どもはそうでない子どもよりもチリダニに対して強いアレルギー反応を示すはずである。
しかし、調査結果は全く逆の傾向を示していた。
どちらのグループもダニ特異的IgEの値は同じだった。
つまり、どちらのグループもチリダニに対する感作を示していた。
しかし、チリダニに対するアレルギー反応を比較すると、住血吸虫に感染している子どもはそうでない子どもの3分の1だった。
皮膚プリックテストでアレルギー反応を測定したところ、寄生虫に感染している子どものスコアは感染していない子どもよりもずっと低かったのだ。
「駆虫によって寄生虫を失った子どもはアレルギーを起こしやすくなるのか」
彼らは「任意抽出、二重盲検、対照群にはプラセボを投与する」という条件で実験を行った。
誰が駆虫剤を投与され、誰がプラセボを渡されたかは、実験者にも被験者にもわからないようになっていた。
彼らは317人の児童に30ヶ月にわたって3ヶ月間隔で駆虫剤を投与し、定期的に児童のチリダニに対するアレルギー反応を検査した。
その結果、駆虫後にアレルギー反応が劇的に高まることがわかった。
駆虫後、チリダニに対してアレルギーを起こすリスクはそれまでの2.5倍に上昇した。
寄生虫なき病
モイセズ・ベラスケス=マノフ著 文藝春秋刊より抜粋。
だからと言って、寄生虫を飲めーとはとても言えませんが(笑)
あなたは『きれい』がいいと思いますか?
『汚い』のがいいと思いますか?
それとも、『ほどほど』がいいですか?
最近では、特に1歳までに色々な菌と触れ合ったほうがいいという意見が増えてきました。
自然分娩や母乳がいい!とか、子どもが何でも口に入れるのは、こういったことが本能的にわかっているのかもしれませんね。
今の何でもかんでも殺菌・除菌は『きれい』かも知れませんが、どうやらリスクも伴うようです。